シーケンス制御によるシステム構築とは
システム構築の構は、構えです。
型を検討するシーケンス制御のエンジニアさんに、
大きく3つのテーマの構えについての話をします。
まず1つ目は、構成です。
構成がシステムの全体像になります。
この時、使用者優先の原則で、ユーザーの行動を時間軸に沿って獲得し、
全体の構成を大きく分類することから始めるのがポイントです。
分類する基準は、対象ワークが1つのユニット内に1つとなるユニット構成に分けることです。
1ユニット、1ワークが基本です。
この全体像を表わす構成が、もっとも大切ですがはじめはペーパーモデルなどを作って、
小さくテストすると、ユーザー操作の行動もイメージできるので、
頭の中に絵が浮かべながら次のステップに行きます。
2つ目は、構造です。
これは、1つの構成の中をどんな構造にするかという課題なので、構造化したテンプレートに乗るといったことがポイントです。
つまり1つのユニットが自立してインプットとなる操作部からランプ表示やモード選択、自動運転、アラート、インターロックを含む手動運転の出力部といった構造がテンプレートになります。
この時、シーケンス制御ではデバイスアドレスが課題になります。
そこでユニット構成を考えた構造におけるデバイスマップが重要になります。
デバイスマップについては次の機会で解説していきます。
シーケンス制御における構造は、最近はプログラムという単位で分類できるシーケンサが主流になってきたので、1つのユニットができれば、第2ユニット、第3ユニットと同じ構造にすることがポイントです。
3つ目は、構図です。
この構図が、シーケンサ制御のキモになります。
なぜ、構図というか、構文と言わないのかは、
ラダー言語がグラフィック言語というテキストベースではないからです。
つまり、構図と構文は、ほぼ等価の意味です。
構図がもっとも重要な登場シーンが自動運転のプログラムです。
自動運転では、自己保持という回路が出力から信号が入るまでキープしておくことで、次々と動作を進めていくことになります。
このキープする回路がコアとなる型となります。
そもそも自己保持というのはメモリーです。憶えることが仕事です、
しかし、大切なことは解除、リセットです。
これはハードウェアの電磁リレーの保持回路と等価になりますが、コンピュータのメモリーと考えると様々な構図が考えられます。
そこで紹介するのが、接点をトリガとする自己保持ではなく、
データをトリガとする自己保持の方式です。
これが推奨するデータ型シーケンス制御のキモになります。
つまり接点という点から数値というデータへの転換です。
データを使った歩進制御がステップ制御となります。
これからの時代に必要なシーケンス制御の型とコア技術になります。
以上の3つの構えを元に、これからの生産システムを支えるシーケンス制御の型について、
様々な角度から面白さをお伝えしていきます。
P.S.
ここでいうコア技術とは、要素技術ではなく、
使い方の技術、アプリケーション技術です。
「こんな使い方があったんだ」をお伝えしていきます。
次回は、1つ目の「構成」について、お伝えしていきます。
今日も一日、
明るく朗らかに、喜んで働きます。